ゴールテープはなかった──銀行員だけが“終わりの見えない競技”を走っている
はじめに
警察官も、商社マンも、大手メーカーの社員も──
多くの職業には「終わりの日」がある。
それは誕生日の月末だったり、65歳の年度末だったり。
みんな、あらかじめ分かっているからこそ、そこに向けて準備ができる。
でも、銀行員だけは違う。
「定年まで走りきれる」と信じている人なんて、いないですよね?
ある日突然、舞台を下ろされる。
知らされるのは、“日付”だけ。
銀行員のキャリアは、一見すると安定して見える。
支店長まで登りつめた人でも、
「来月から関連会社へ出向です」と一方的に知らされることがある。
行き先は、ほとんど選べない。
もちろん、片道切符。
何より、その日が“いつ来るか”が分からない。
なのに、みんな知っている
全員が、なんとなく気づいている。
- 「50代前半で出向が来る」
- 「実質、銀行でのキャリアは55歳前後まで」
- 信号は青から黄色。青には戻りません。赤になります。
そんな空気は、支店長クラスになれば、誰もが感じている。
それでも、日々の業務に忙殺されて、
準備は「いつかそのうち」に先送りされていく。
何より、まだ上を見ているだけに、落差が大きい。
そして、“その日”は突然やってくる。
他業界と銀行員の決定的な違い
他業界の多くは、「定年」が“見えている”。
だから、それに向けてキャリアを設計できる。
- 家族とどう過ごすか
- 定年前に何をするか
- 定年後に備えて何を学ぶか
ところが、銀行では、“いつ降ろされるか”が分からない。
銀行員は、終わりの見えない競技を走らされている。
見えない出口にどう向き合うか
「いつか来る」と分かっていながら、
- 情報はない
- 相談できる人もいない
- 制度も整っていない
対策は、自分で考えるしかありません。
これが現実なのです。
まとめ:終わりが見えないからこそ、“今”が準備のとき
この現実に、早めに気づけた人だけが、次のキャリアを選べる。
出向は終わりじゃない。
でも、準備がなければ“強制終了”になる。
ゴールテープがないなら、自分で“非常口”をつくるしかない。
あなたのキャリアは、まだ終わっていない。
走らされる側から、選ぶ側へ。
今こそ、自分のキャリアに主導権を取り戻すタイミングです。
つづく
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