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【16】銀行員が次に狙うべきはどっちか?──経理部長か、それとも社長の右腕か


銀行員として真面目に実績を積み重ねてきた。
けれど、ふと立ち止まって思うことはありませんか?
「このまま銀行にいて、10年後、20年後の自分は本当に幸せだろうか」と。

そもそも、ゴールっていきなり銀行に突きつけられるものなのでしょうか?

55歳前に、グループ会社では無く、中小企業の経理部長に出向→転職

──それは銀行員にとって“よくある選択肢”です。

でも、その会社はあなたが選んだのですか?

決められたポジションに座るのではなく、「存在感を示し、会社を動かす存在」になって初めて選択と言えるのではないでしょうか?


勿論、その役割が用意されているとは限りません。

だからこそ──自分で作りにいきたい。

本記事では、銀行員としての経験を土台にしながら、
「社長の右腕」へとキャリアを進化させるための考え方と、
“替えの利かない存在”になるための武器=財務のプロ+αについてお伝えします。


目次

■ 銀行員→経理部長は王道ルート。でも、そこには“実務の壁”がある

銀行を辞めた銀行員が、次のキャリアとして中小企業の経理部長になる──これはいわば“定番ルート”です。
特に大手企業であれば、仕組みが整っていたり、元同僚が在籍していたりと、比較的スムーズに馴染めることもあります。

しかし、中小企業の経理はまったくの別物。現場ではこんな「見えない壁」が立ちはだかります。

  • 実務経験がないと、そもそも現場に相手にされない
  • 「今さら教えてください」が言いづらく、自力でなんとかしようとして消耗する
  • 会計ソフトの操作、仕訳の切り分け、伝票処理など、地味で重要な作業に戸惑う

銀行員は「財務の目利き」には長けていますが、いざ現場に立つと“手が動かない”。
このギャップが、着任直後に最も多いつまずきポイントです。

例えるなら──銀行員は、卵焼きすら作れない料理評論家。
「予算と献立」は語れても、いざキッチンに立った瞬間、フライパンの前で固まってしまう。

「見るのとやるのは別物」。その現実を突きつけられるのが、中小企業の経理部長というポジションです。


■ ないならポジションを作ってしまおう──財務こそ、あなたの舞台だ

中小企業には、明確な「財務部」も「CFOポジション」も存在しないことが珍しくありません。
社長がひとりで銀行対応をし、資金繰りも感覚頼り──そんな企業が実は山ほどあります。

みなさんは社長がどれだけ孤独かはご存知でしょう。

それこそが銀行員にとって最大のチャンスです。
ないなら、作ってしまえばいいのです。


あなたの武器は明確です。

  • 銀行担当者が喜ぶ報告書の書き方を熟知し、金融機関の論理を理解している
  • 決算書の読み方だけでなく、資金調達の「筋道」を描ける
  • 補助金、リース、保証協会…経営者が知らない資金の引き出しを持っている

これらは、中小企業の社長にとっては“魔法のような知見”です。


財務のプロがいない企業で、あなたがその役割をゼロから立ち上げることは、**単なる転職ではなく、キャリアの「事業化」**とも言えます。


つまり、ポジションは「探す」ものではなく、「設計して、提案して、勝ち取る」もの。
その視点に立てた瞬間、銀行員のキャリアは大きく進化します。


経理部長という席に座るのではなく、
“社長の右腕”という新たな席を、自ら用意して座る──
これこそが、あなたの本当の強みの活かし方。

と考えると、なんだか楽しくないですか?

■ 中小企業で「末永くいい待遇」を得るカギ

「定年後の人生が不安だ」「これからの給与は右肩下がりだろう」──
銀行の中にいて、そんな将来像がうっすらと見えてきた人は少なくないはずです。

でも、視点を変えれば、その不安はチャンスに変わります。
中小企業で財務責任者や経営層として活躍できれば、“長く、そして高待遇で働ける道”が開ける可能性があります。


その理由は、いたってシンプル。

  • ✅ 銀行交渉や資金繰りを理解している人材は、企業にとって極めて貴重
  • ✅ 経営者の信頼を得れば、「右腕」としてポジションも待遇も上がる
  • ✅ 定年の概念があいまいなので、70代でも現役バリバリというケースもある

中小企業は、少数精鋭。
「替えがきかない人」になれば、報酬も、自由度も、在籍年数すら自分でデザインできます。

一方で、大企業では役職定年や人件費圧縮が進み、50代からの下り坂を避けるのは難しい現実。
中小企業の経営層は、“経験が資産になる世界”です。
あなたの過去が、あなたの価値に変わる。


「あと何年働けるか」ではなく、
「あと何年、必要とされるか」──そう考えられる場所を、自分の力で手に入れましょう。

■ 一方で、ハイリターンにはハイリスクがつきもの

高待遇。自由な働き方。長く続けられるポジション──
中小企業でも、財務責任者や経営層になることで得られるリターンは、確かに魅力的です。

ですが、その裏には、誰もが口にはしない“リスク”も確実に存在します。


たとえば、こんな場面を想像してみてください。

  • ☠ 信頼していた社長が急死 → 会社の方向性が一気にブレる
  • ☠ オーナー家で内紛発生 → 社内の力関係が変わり、あなたの立場も不安定に
  • ☠ 資金繰りが悪化 → 銀行出身という理由で、責任の矢面に立たされる可能性も

つまり、中小企業の経営に深く関わるということは、**「社長と運命を共にする」**という側面もあるのです。

高待遇と引き換えに、意思決定の重さや、変化の速さ、責任の大きさも背負うことになる。
この現実に目を向けず、「給与がいいから」と安易に飛び込むと、後悔する場面も出てきます。


ですが、だからといって尻込みする必要はありません。
リスクを知った上で選ぶからこそ、本物の覚悟が生まれます。


そして、その覚悟を持った人材は、どの会社においても“絶対に手放したくない存在”になります。


リターンの大きい世界ほど、リスクとの向き合い方が問われる──
それを自分ごととして捉えられた時、あなたのキャリアはもう次のステージに進んでいるはずです。

銀行で培った「財務の目線」と「金融機関との交渉力」。
これらは、社長にとって最も頼れる“右腕”になるための武器です。

✅ そして実は、“ローリスク・ミドルリターン”な現実的キャリアかもしれません

右腕ポジションと聞くと、リスクが高いイメージを持つかもしれません。
でも実際は──転職前の目利きさえしっかりしていれば、失敗しても「辞めるだけ」。
人生が終わるような本当のリスクは稀です。

むしろ、成功すれば報酬・裁量・信頼すべてを手にできる、コストパフォーマンスのいい勝負なのかもしれません。


■ 最後に──普通の経理部長で終わらないで

中小企業の経理部長。
銀行員からの転職先としてはよくある道で、決して悪い選択ではありません。

同じ銀行出身者がいる会社を担当し、訪問した時に感じたことありませんか?

銀行の昔話しを繰り返し、お茶を飲むだけのしおれた先輩。

と、社長と共に新製品を開発し、戦略を熱く語る、そしてそこに資金需要のネタをチラつかせてくれる先輩。の2種類。

創るのも、流れるのもあなた次第?


銀行を飛び出し、キャリアを自分でデザインしたいと考えるあなたへ。

「ただの経理部長」で終わらず
“財務のプロ”として、“社長の右腕”をともに目指しましょう。

私は、あなたのソフトランディングした生活より、イキイキとする顔が見たいです。

あなたのキャリアは、ここからが本番です。

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この記事を書いた人

ginkariのアバター ginkari MANAGING DIRECTOR

銀キャリ /

こんにちは、銀キャリへようこそ!
私は、銀行業界で約20年経験を持つ現役の経営者です。これまで、法人営業や資産運用アドバイザーとして働き、多くの企業や個人の財務面をサポートしてきました。

現在は**「銀キャリ」というブログを運営しており、主に銀行員のキャリアアップや転職に関する情報を発信しています。
私自身、銀行員から経営者に転身した経験があり、まだ経営者としては3年**を過ぎたばかりの新米ですが、この経験を通じて読者の皆様にお伝えできることが多いと感じています。

ブログの目的は、銀行員のキャリアを見直すこと。
ファイナンシャルプランニングの専門知識を活かして、キャリアに役立つ情報や投資に関するアドバイスも提供しています。

このブログが、皆様のキャリアをより豊かにするためのヒントやアドバイスの源になることを願っています。

リアルとフィクションを9:1の割合で混ぜて発信。
出典があるもの以外は“読んで楽しむ用”です。
信じるかどうかは、あなたのキャリア観次第。

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