「気が利く」「話が面白い」──それ、間違ってないけど、足りてない。
「人たらしになりたい」
そう思って、日経を読み、気の利いた話題を準備して、週末には自己研鑽。
それでもうまくいかないのは、
“気づかい”じゃなく、“余白”が足りないからです。
人は「できる人」に惹かれるんじゃない。
“この人といると気持ちいい”と思える人に惹かれる。
その“空気”をつくるのが、「人たらし」の第一歩です。
🧠【STEP 1】“お客様=彼女”と本気で思え
「お客様のために」なんて、その程度じゃ心は動かない。
「この提案、彼女が喜ぶかな?」
そう思いながら新聞をめくる。
「このトピック、次に会ったときのネタになるかな?」と雑誌を眺める。
FP1級を取るのも、“彼女の前でうんちく語りたい”からでいいんです。
ただの酒飲みとソムリエは雲泥の差。「このワイン、今夜のあなたに合うと思う」って差し出してきたら──
その時点でもう、味なんてわからなくても美味しく感じるもの。
「この人がそう言うなら」と思わせる空気。
それが、“信頼”の正体です。
お客様に「彼氏(=他行)」がいてもいい。
“また会いたいと思わせる男”を目指しましょう。
👤【STEP 2】“元カレに負けない”という覚悟を持て
前任者? 後任?
──そんな元カレに負けてていいの?
「前任の方が全部わかってくれてるから…」
──あるあるです。
でも、ここで一歩引いたら終わりです。
「あっ、そうなんですね」って言った瞬間に、あなたは“その他大勢”のひとりになります。
金利や商品力なんて次の問題。
まずは、あなたに「また会いたいな」と思わせないと。
それだけで勝てるのが“人たらし営業”。
彼女の話を本気で聞く。
相談されてもないのに、こっそり資料を作って持っていく。
「それ、前の担当にも相談してましたか?」と自然に聞ける。
そうやって、元カレがしてこなかったことを、あなたがやるだけ。
そして気づいた時には、こうなっています。
「なんか最近、あの銀行の話をしなくなったな」
──これが、“人たらし”の勝ちパターンです。

📘【STEP 3】制度は“語れるか”がすべて。もてたいから努力した
「FP1級なんて意味ない」
「年金制度なんて複雑で誰も興味ない」
──そう言う人、正直多いです。
でも、それは語れない人の言い訳です。
2025年4月、在職老齢年金の支給停止基準額が、
ついに**“月28万円→51万円”へ**引き上げられました。
この制度改正、60〜64歳の人にとっては激震レベル。
新聞を読んでたら、誰もが知ってます。
でも、それを“制度の話”としての説明では、誰も振り向かない。
人たらしはこう切り出します。
「社長、今月からあちこちで“親孝行祭り”が始まりましたね」
社長が「何それ?」と身を乗り出す。
「在職老齢年金が改正されて、
お父さんやお母さんに給与を出しても、年金減らされずにフルで受け取れるんです。
表向きはアドバイザー契約。この際、営業でも用務員でもなんでもいいです。社長の扶養に入ってないですよね?
たとえば両親に月20万円ずつ、年間500万円くらい出したら喜びますよぉ。懐事情を見ながら、1年で辞めてもいいじゃない。
で、お孫さんと海外旅行をプレゼント🎁
ご両親、お子さん、奥さんに三方よし♪
社長、いまこそ“最高の親孝行”ができるいいタイミングですね」
は社長静かにうなずきながら、こう言います。
「それ、税理士から聞いた気もするけど、ピンとこなかった。
でも、すっと入ってきた」
「確かに親も喜ぶし、ちょっと真面目に考えよかな」
これで勝ちです。
FPの知識は見せびらかすためにあるんじゃない。
**「その人の人生に溶け込ませて語れるか」**がすべて。
例え、ご両親が取らなくてもいいんです。
営業はうんちくじゃない。
**「この人がそう言うなら信じられる」**と思わせる空気をまとうために、勉強するのがモテる銀行員。
それが、営業における“もてる力”。
「制度の話?俺、苦手なんだよね」
──じゃあ、誰の人生も変えられない。
もったいないなぁ。
🕊【STEP 4】“2つ向こうに届く情報”を気持ちよく渡せるか?──それが人たらしの作戦
同じ制度、同じニュース、同じ数字── でも、「誰が」「どう伝えるか」で、受け取った人の反応はまるで違う。
良い情報を知ってるだけ、ただ説明するだけなら、それは“1点”。
「そういう制度なんですね」で会話が終わってしまう。そこ止まりの情報だから。
“2点”までは、普通。相手の背景や状況に「直接寄り添い」共感が生まれる。
「ちょうど知りたかったんです」 ──それは、少し届いた証拠。
役に立ったけど、やっぱり2点です。
人たらしはさらにその先を狙います。
伝えた相手が、親や奥さんから「ありがとう」と言われるように仕向ける。 社長が周囲から評価されるように演出する。
感謝されますよ♪
でも、──ここで“3点”ではありません。これは“前哨戦”です。
本当にかっこいいのは、その人が、 あなたから聞いた情報を“自分の言葉”で自然に語り出したとき。
しかもそれが、聞いた相手の人生や仕事にまで影響を与え、 「その話、前に〇〇さんが言ってて…」と、あなたの名前が回り回って間接的に返ってくる。
その瞬間、あなたの存在が心に刻まれるのです。
あなたは情報と言うプレゼントを渡したのではない。 その人自身の“レベル”を引き上げた。
お金をくれる人よりも、恩師を忘れないのが人間。自分が変わった、成長したと実感したとき、 「またこの人と会いたい」と心の底から思う。
お客さんから聞きましたよ!と後任から聞いた時。
──これが、人たらしの最終形。📌
銀キャリ式まとめ:
「できる人」には、いつか飽きられる。
でも、「また会いたくなる人」は、忘れられない。
情報を渡すだけなら、誰でもできる。
相手の“半歩先の未来”をつくれる人だけが、残る。
営業は、制度の知識を語る場じゃない。
その制度で“誰の人生を変えるか”を考える場だ。
モテる銀行員に必要なのは、
正解じゃなくて、“余白”と“余韻”。
人は、数字より“気配”で動く。
だからこそ、届けよう。
今日の一言が、10年後の「ありがとう」になるかもしれないから。
それが、“人たらし”の本質。
そしてそれこそが──
営業という仕事が、誰かの人生に残る理由。
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