「タイ在住なのに、
“今年のタイ経済どうだった?”
この質問に自信を持って答えられますか?」
「もちろん知ってる」と、在住者の「当たり前」にしたい
こんにちは。 「Q」 です。
この記事では、
タイの現役経営者が、
各種メディア記事や実務から得たエピソードをもとに、
2025年のタイ経済を、
できるだけ簡単な表現で読み解きます
(元銀行員/FP1級)
雑過ぎる質問、多くないですか?
現地に住んでいると、
日本の出張者や、旅行に来た友達からいつも聞かれます。
「で、タイの今ってどうなの?」
その軽くて広い質問に、
いったい、どれだけ多くの引き出しを準備すればいいのでしょうか…
→あまりにも質問が、ザツ過ぎて
チャットGPTに聞いてよ…
本音ではそう思います。
しかし、それではダメです。
今こそが私達の真価が問われる時
今年は激変の年でした!
回答は、毎年これでいいです。
「なんでも聞いて♪」と言うと、
ハードルが上がるだけ。
どうせ聞かれるなら、
会話を誘導して、
こっそり先におさらいをしておきましょう。
いい所と悪いところがきっぱりと別れた1年
2025年のタイ経済は、
「外需 × ハイテク」で回っていました。
景気が良い・悪い、というより、
「伸びている分野がはっきりした1年」だった、
というのが素直な印象です。
主要産業の自動車が伸び悩み、
全体的にも落ち込みが目立ちました。
と、話の流れ上は、「なんとなく悪かった」との説明が無難です。
「来年はよくなるか?」の答えは、
「伸びるところは伸びるが、ダメなところはより厳しくなる」です。
実際に日系数社からタイ撤退の話を耳にする一方で、
AI祭りど真ん中の「裾野産業」では、生産が追いつかないなどと、景気の良い話も出てきました。
良いところ=新しい分野に投資する企業の「裾野産業」お祭り騒ぎに♬
政府は数年前から、「手っ取り早く儲かる産業を育てねば!」と先に手を打ち、ようやく一部では効果が出てきました。
新分野で投資をする会社に、税制の優遇や、手続きの簡素化を矢継ぎ発表。
2024年:データセンター関連
2025年:EV・デジタル企業など
これらは、今流行りのど真ん中。
宣伝は、大当たりだったようです。
中国からの工場移転ニーズと重なり、投資申請が殺到したのは以下の業種
- 電子・半導体
- EV(電気自動車)・自動車部品
- データセンターなどのデジタル関連
2025年1~9月の投資申請総額は、なんと1.37兆バーツ(6兆円以上)
※申請金額で承認ではありません
これは、今年のニュースを賑わした、「日本製鐵のUSスチール買収後、2028年までの投資は2兆円」の3倍。
日本政府によるアメリカへの「今後10年間の投資約束金80兆円」と比べても、単年度では遜色ないレベル。
タイ投資委員会の発表では、
「過去10年で最大だった2024年を超えるペース♪」と大喜びでした。
車を作る工場が沢山ある国、タイ
そのイメージ、正しいです。
1962年のToyota Motor Thailand 設立後、
1971年以降に
政府は「現地部品比率」を義務化
裾野産業が整ったのは1980年代と記されています。
そして半世紀後には、見事に農業国家から自動車産業国家への転身を果たしたのです。
「中進国の罠」からの返り咲き大作戦
自動車の爆売れで、タイは2010年頃までに、東南アジアの優等生になった言っても過言ではありません。
ところが、近年は近隣国との人件費の差が2倍も3倍も開きつつあります。
そして、だんだんと価格競争力が乏しくなり、いわゆる「中進国の罠」にどっぷりハマってしまいました。
残念ながら、台湾や韓国のような、先進国の仲間入りまでは果たせなかったのです。
そこで政府は考えました。
「前の日本車の製造時みたいに、外資を呼べば、技術も入るし、インフラも整備してくれる。一石三鳥や!」
「これからはAIや!バイオや!電気自動車や!」
こうして第2回、「他人のふんどしで相撲大会」が開催されたのです。
政府は、人気があって儲かりそうな業種に全振り!
――いい意味で(日本も見習ってよ)
タイはここがすごい!だからここを攻めろ!
政治は安定していない割に、治安もいいしインフラはまずまず整っている。
2025年は、一段進んで、
- ただ作るだけではなく
- 技術や付加価値を求められ
- デジタル前提で選ばれる国
へと、立ち位置が変わり始めた年でした。
一言で言うと、
「タイは、工場の国から
ハイテク拠点へ移行しつつある」
そんな一年です。
当の本人「投資した外資企業」はまだ儲かってはいない
このお祭り騒ぎは、「成功した」訳ではなく、投資が集まったという事実です。
事実、バンコクで見かけるEV自動車は増える一方で、洪水で水没して問題点が浮き彫りになったり。
中国企業のタイ進出で、環境問題や「タイに全くお金が落ちてない問題」も指摘されています。
今景気がいいのは、これらの企業が事業開始に向けて調達する必要資材の仕入れ元です。
例えば、工業団地(土地がバカ売れ)、ゼネコン、機械設備会社、などなど。
中でも、ラヨーン県に集積予定のデータセンターが特に注目されています。
ここで使われるAI半導体の使用量は、自動車の3倍は使うと言われる電気自動車より大きく、高性能かつ高付加価値だからです。
半導体業界では、数年前から投資が始まりましたが、実際の製造や稼働は随分と遅れており、投資結果がわかるのはまだまだ先の見通しです。
ただし、これらのマーケットは数年単位での拡大が予想されています。
もしかしたら従来型の自動車産業を超える可能性をも秘めています。
悪かったところは?
一方
- 農業
- 地方
- 昔ながらの産業
からは、
「良くなった実感がない」
という声も多いのが実情です。
つまり、
「タイ全体としては悪いとは言えないが、
均一ではない。」特に新しい産業からの声は、期待値含みでまだまだ未知数。
従事者の多い従来型産業の声が、今のタイの本当の声なのではないでしょうか。
これが2025年のリアルな総括です。
奥さんに聞かれたら、こう答えればOK
ここまでを踏まえて、
家でこう聞かれたら──
「で、今年のタイはどうだったの?」
こんな答えがちょうどいいと思います。
「2025年のタイは、
外国からの投資が増えて、
電子とかEV、デジタルみたいな
ハイテク分野が引っ張ってた年やね。
ただ、みんなが同じように良いわけではないけど。」来年、良くなるように頑張ろう!
これくらい言えれば、
十分 “分かってる人の回答” です。
まとめ
- 2025年のタイ経済は 外需主導
- 主役は ハイテク・未来産業へ
- 政府は「工場から拠点へ」に期待
- 景気の実感には 差がある
細かい数字を覚える必要はありません。
この流れだけ分かっていればOKです。
最後は、
「来年も2人でいい年にしたいね」
で締めましょう。

次回は、
この話と必ずセットで出てくるテーマ。
「タイバーツ高く無い??」
同じトーンで整理してみようと思います。

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