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【18】【銀行員の転職】その転職、3年後も笑っていられますか?

2025年4月5日|銀キャリ


🔹 銀行員の転職は「安定への一歩」ではなく、「未知への挑戦」。
転職後、「思っていたのと違う」と感じて悩む人は、実は少なくありません。

  • ✅ 転職先の社風にうまく馴染めない
  • ✅ 長年勤めるプロパー社員と価値観が合わない
  • ✅ 頼りにしていた社長が交代し、居場所がなくなる

──そんな声を、私自身も、周囲の元銀行員たちから数多く耳にしてきました。

銀行という“特殊な環境”で育った私たちにとって、転職とは、単なる「職場の変更」ではなく、
思考のクセ・人間関係のつくり方・仕事観そのものを試されるステージチェンジでもあります。

だからこそ、転職が成功するかどうかは、最初の選択だけで決まるわけではありません。
むしろ、「転職したあと、どう立ち回るか」がすべてです。

目次

🚨 出向・転職後は「銀行とは違う」|人付き合いが長くなる現実を理解すべし

銀行員のキャリアにおいて、出向や転職は「環境の変化」以上に、「人間関係の変化」を意識する必要があります。

出向先がグループ関連企業であれば、元銀行員の出向者が多く、職場環境も銀行に近い雰囲気になります。
当然ながら、かつて「使える上司」だった人もいれば、そうでない上司もいるでしょう。
しかし、銀行のように 「数年で異動」する文化はなく、一度転籍すると定年まで同じ職場で過ごすことになります。

一方、民間の大企業への出向 はケースバイケースです。
職種や職位によっては 異動の可能性 もありますが、それでも銀行ほど頻繁に環境が変わるわけではありません。

そして中小企業では、さらに違う現実が待っています。
上司も部下も 定年までほぼ変わらない「固定メンバー」で働く環境 になります。
「いずれ異動がある」ことを前提とした銀行の働き方とは、根本的に異なることを理解しておくべきです。
特に、着任早々から尖った態度を取ると、後々の関係がこじれやすく、「長く付き合う」前提での人間関係づくりが不可欠 となります。

私もご多分に漏れず、転職して3年で再び転職しました。
理由はシンプルで、海外は出張ではなく、現地で働きたかったからです。

ただ、それとは関係なく、転職してすぐに「銀行とは違うな」と感じたことがありました。
周りの議論の進め方がまるで違いました。
銀行では「稟議」「コンセンサス」「決裁」といった流れがありますが、
転職先では「決まったことはすぐ実行」「現場レベルの決断が早い」など、
銀行員時代の感覚とは違う意思決定のスタイルがありました。

そして、形は違えど、今の会社でも同じ匂いがします。
銀行員としての思考のクセが、どこに行っても影響を与えるのだと、改めて感じました。

🚨 出向・転職後は、銀行のように「嫌な人がいても数年で異動」とはいきません。
人付き合いの時間軸が長くなることを、事前に理解しておくことが何より重要です。
特に、転職後の組織の意思決定プロセスが、銀行とは大きく異なる ことも頭に入れておかなければなりません。
銀行の流儀に慣れたまま転職すると、知らぬ間に「浮いた存在」になる危険もあります。


⚠️ 【要注意】プロパー社員との壁!転職後の地獄を避ける方法

銀行員の転職で最も厄介なのが、「プロパー社員との関係」 です。
長年勤めている社員たちは、突然やってきた転職者を 「外様」 として警戒するものです。

💣 「転職後3年以内に離職する人は少なくない」と言われています。
📌 特に「社風が合わない」ことが、転職後のミスマッチの大きな原因になることがあります。

出向の場合は、親会社からの「出向者」として見られるため、比較的受け入れられやすいこともあります。
しかし、「転籍=転職」となると状況は一変します。
プロパー社員は、転職者を 「ライバル」 と見るのか、それとも 「戦力」 として受け入れるのか?

この受け入れ方次第で、転職後の居心地が大きく変わります。
どのように見られるかは、最初の立ち回り次第で決まることも多いため、慎重に対応する必要があります。

転職の失敗あるあるは別の記事で詳しく解説しますが、まず意識しておくべき重要な事実があります。

「あなたを雇った人間と、実際に職場で働く人間は、必ずしも一致しない」ということです。
むしろ、職場の人間はあなたの採用意図を全く知らない 可能性すらあります。

最近では、銀行に他業種から転職者が来た場合、いきなり役席に就くことも珍しくありません。
保守的な銀行では、こうした転職者に対して警戒感を持つ人もいたかもしれませんが、
少なくとも、彼らの方が銀行員よりも柔軟性があるように感じました。

これは、銀行員が「組織の中で生きる」ことに最適化されているのに対し、
他業種からの転職者は「環境に適応する力」を持っていることが多いからです。
転職者が職場に馴染めるかどうかは、あなたのスキルや実績以上に、職場がどのように受け入れるかにかかっています。

転職先の社員は、あなたの採用の背景を知らないかもしれません。
だからこそ、職場に入った後の振る舞いが、転職成功のカギを握ります。

🔥 【ここが分かれ道】社長が変わったら終わり!? お家騒動を見抜くポイント

転職を成功させる上で、最も重要なのは 「あなたを買ってくれる人」が社内にいるかどうか です。
転職先で自分を評価し、支援してくれる存在がいれば、社内での立ち位置は安定しやすくなります。

🚨 しかし、それが「社長」である場合、社長の年齢が超重要です。
転職時に 「この社長は自分を気に入ってくれているから大丈夫」と安心するのは危険 かもしれません。

⚠️ 創業社長交代後、業績が悪化する企業は50%以上 とも言われています。
社長が良かったが、後継者(息子など)と合わず、居づらくなるケース。
昔は何も言わなかったプロパー社員が、社長交代を機に豹変するケース。

銀行員として働いていると、経営者と直接話す機会も多いため、
「この社長なら安心して働けそうだ」と感じることもあるでしょう。
しかし、その社長が 5年後、10年後も同じ立場にいるとは限りません。

転職前には、「この社長が退いた後、会社はどうなるのか?」 を必ず想定しておくべきです。
後継者が決まっていない場合や、親族承継が見え隠れしている場合は特に注意が必要です。

こうしたリスクを避けるには、「あなたを買ってくれている人」との年齢差が±5歳以内であることが理想です。
また、もし社長が支援者なら、後継者にも気に入られることが必須 となります。
社長がいなくなった途端に社内の立ち位置が不安定になり、転職を余儀なくされるケースも珍しくありません。

「社長の考えに共感できる」だけではなく、「社長がいなくなっても、自分の立場が確保されるか?」 を考えることが、転職成功のカギとなります。


🏆 【転職後のポジション取り】あなたはどのタイプで生き残る?

銀行員が転職後に社内で安定したポジションを確立するには、戦略的な立ち回りが不可欠 です。
新しい職場では、銀行の肩書きや過去の実績は一旦リセットされます。
そこで、転職後にどのような立場を築くかが、生き残るカギとなります。

主なポジションの取り方は、以下の3つのタイプ に分かれます。

💡 ① ライバルがいないポジションで無双する!【王道】
👉 中小企業では、意外にも「手つかずのポジション」が多い ものです。
例えば、経営企画・財務・新規事業など、専門性が求められるが誰も手を付けていない分野 に入り込めば、競争相手がいないため最強のポジションを築けます。
特に、銀行員としての 財務や融資の知識が活かせる領域 にうまくフィットすれば、一気に 「この分野ならあの人に聞け」 という立場を確立できます。

知り合いの元支店長は、まさにこの 「ブルーオーシャン戦略」 を実践しました。
転職のタイミングで 「ない椅子」を作り、自分だけの独壇場を確立 したのです。
当然ながら、他に競争相手がいないため、誰もそのポジションで勝負することはできません。
さらに、他行からの出向者がいない会社 だったため、比較されることすらなく、
「こういうものだ」という 新たな基準を作り上げた のです。
こうした動きを取れる転職者は少なく、改めて元支店長の戦略眼の鋭さを感じました。

💡 ② 社長の傘の下で「パワープレー」!【トップダウン型】
👉 社長に気に入られ、社長の意向に沿って社内を掌握する方法 です。
これは 特にオーナー企業や、社長の権限が強い会社 では有効です。
ただし、この方法には 「嫌われ役になる覚悟」 が必要です。
社長の意向を受けて動く立場になると、プロパー社員の不満の矛先が自分に向くリスク もあります。
しかし、一度このポジションを確立できれば 「クーデター」でも起きない限り、安定したポジションを築ける のも事実です。

💡 ③ 全方位外交で「こいつは使える」と思わせる!【バランス型】
👉 プロパー社員からの攻撃をかわしながら、社内全体に「この人は役に立つ」と思わせる スタイルです。
この方法は、特に 大企業や組織のしがらみが強い会社 で有効です。
社内のあらゆる部署に顔を出し、バランスよく人間関係を築くことで、
「この人は潰すより、味方につけた方が得」 と思わせることができます。
ただし、バランスを取りながら立ち回るのは、3つの中で最も難易度が高い ため、慎重な対応が求められます。

では、どの戦略が最適なのか?

中小企業では①が狙い目!
中堅企業では③の全方位外交が最も難しいが、成功すれば無双できる!
大企業では②の「パワープレー」が意外と有効!

転職後は、「どのポジションを狙うか?」を明確にし、戦略的に動くことが重要です。
自分のスキルや職場の文化に合った方法を選び、確実にポジションを確立しましょう。


🚀 【転職はゴールじゃない】環境のせいにする人は一生成功しない

💡 成功するのは、転職先の「環境」ではなく、自分の「行動次第」です。

転職したからといって、すべてがうまくいくわけではありません。
むしろ、転職を「ゴール」と考えてしまうと、その後のキャリアでつまずくことになります。
新しい職場で活躍できるかどうかは、どんな環境に行っても、自分がどう動くかにかかっている のです。

私が最も尊敬していた上司は、出向後わずか1年で銀行に戻りました。
しかし、その後の再出向先では環境がぴったりハマり、数年後には役員となり、年収は銀行員時代の倍になっていました。
出向や転職は、必ずしも「一発勝負」ではありません。
環境を選ぶ力と、それに適応する行動を続けることが、最終的な成功につながります。

実際、私自身も転職後にさまざまな困難に直面しました。
しかし、今の会社に来る前に得た経験は何事にも代えられず、最高の経験をさせていただいたと感謝しかありません。
どんな環境であれ、挑戦したことで得られるものは必ずあります。
もし今、「転職は失敗だったかもしれない」と感じているなら、まだ結論を出すのは早いかもしれません。

🌟 チャンスを掴む人は、いつでも次を見据えて準備している。
「転職=成功」ではなく、転職後にどう動くかがすべて。
どんな環境に行っても活躍できる人こそが、本当に強い人なのだと感じました。


🎯 【結論】転職で勝つために、最も安全な選択肢とは?


「転職後に数年で離職する人が一定数いる」のは事実として広く知られています。
銀行員にとって、「転職」という選択肢はいずれ訪れるもの かもしれません。
出向や転籍、キャリアチェンジ──形は違えど、どこかのタイミングで 「自分はこのままでいいのか?」 という問いと向き合うことになるでしょう。

結局、どの企業に入っても 「人間関係がすべて」 です。
転職を成功させるためには、 新しい環境に適応する力と、すでに築いている関係を活かす力 の両方が求められます。

では、最も安全な転職の選択肢 とは何か?

もっとも安全なのは、やはりやりがいや処遇はさておき、グループ会社や銀行本体に残ること。
銀行の仕組みを理解し、これまでの人脈を活かせるため、大きな環境変化もなく安定を得られます。

処遇と安全の両面を確保するなら、銀行指定の大手優良取引先への出向。
すでに仲のいい先輩が何人もいる環境で、安心感があり、処遇の改善も期待できる。
ただし、銀行員は「いい出向先」に行くために出世しなければならない という現実もあります。

一発逆転を狙うなら、過去に担当していた輝く中小企業への転職。
これはハイリスクですが、ハイリターン も見込める選択肢です。
もしその企業が 自分のスキルや経験を最大限に活かせる環境 なら、銀行員時代とは違った形で大きな成功を手にすることもできます。

銀行員のキャリアは、異動や出向を繰り返しながら、さまざまな環境を泳ぎ切ることの連続です。
「面白くない」と言われる関連会社が、実は最も安定している のかもしれません。

では、あなたはどこまで攻めますか?

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この記事を書いた人

ginkariのアバター ginkari MANAGING DIRECTOR

銀キャリ /

こんにちは、銀キャリへようこそ!
私は、銀行業界で約20年経験を持つ現役の経営者です。これまで、法人営業や資産運用アドバイザーとして働き、多くの企業や個人の財務面をサポートしてきました。

現在は**「銀キャリ」というブログを運営しており、主に銀行員のキャリアアップや転職に関する情報を発信しています。
私自身、銀行員から経営者に転身した経験があり、まだ経営者としては3年**を過ぎたばかりの新米ですが、この経験を通じて読者の皆様にお伝えできることが多いと感じています。

ブログの目的は、銀行員のキャリアを見直すこと。
ファイナンシャルプランニングの専門知識を活かして、キャリアに役立つ情報や投資に関するアドバイスも提供しています。

このブログが、皆様のキャリアをより豊かにするためのヒントやアドバイスの源になることを願っています。

リアルとフィクションを9:1の割合で混ぜて発信。
出典があるもの以外は“読んで楽しむ用”です。
信じるかどうかは、あなたのキャリア観次第。

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