銀行員として真面目に実績を積み重ねてきた。
けれど、ふと立ち止まって思うことはありませんか?
「このまま銀行にいて、10年後、20年後の自分は本当に幸せだろうか」と。
そもそも、ゴールっていきなり銀行に突きつけられるものなのでしょうか?
55歳前に、グループ会社では無く、中小企業の経理部長に出向→転職
──それは銀行員にとって“よくある選択肢”です。
でも、その会社はあなたが選んだのですか?
決められたポジションに座るのではなく、「存在感を示し、会社を動かす存在」になって初めて選択と言えるのではないでしょうか?
勿論、その役割が用意されているとは限りません。
だからこそ──自分で作りにいきたい。
本記事では、銀行員としての経験を土台にしながら、
「社長の右腕」へとキャリアを進化させるための考え方と、
“替えの利かない存在”になるための武器=財務のプロ+αについてお伝えします。
■ 銀行員→経理部長は王道ルート。でも、そこには“実務の壁”がある
銀行を辞めた銀行員が、次のキャリアとして中小企業の経理部長になる──これはいわば“定番ルート”です。
特に大手企業であれば、仕組みが整っていたり、元同僚が在籍していたりと、比較的スムーズに馴染めることもあります。
しかし、中小企業の経理はまったくの別物。現場ではこんな「見えない壁」が立ちはだかります。
- 実務経験がないと、そもそも現場に相手にされない
- 「今さら教えてください」が言いづらく、自力でなんとかしようとして消耗する
- 会計ソフトの操作、仕訳の切り分け、伝票処理など、地味で重要な作業に戸惑う
銀行員は「財務の目利き」には長けていますが、いざ現場に立つと“手が動かない”。
このギャップが、着任直後に最も多いつまずきポイントです。
例えるなら──銀行員は、卵焼きすら作れない料理評論家。
「予算と献立」は語れても、いざキッチンに立った瞬間、フライパンの前で固まってしまう。
「見るのとやるのは別物」。その現実を突きつけられるのが、中小企業の経理部長というポジションです。
■ ないならポジションを作ってしまおう──財務こそ、あなたの舞台だ
中小企業には、明確な「財務部」も「CFOポジション」も存在しないことが珍しくありません。
社長がひとりで銀行対応をし、資金繰りも感覚頼り──そんな企業が実は山ほどあります。
みなさんは社長がどれだけ孤独かはご存知でしょう。
それこそが銀行員にとって最大のチャンスです。
ないなら、作ってしまえばいいのです。
あなたの武器は明確です。
- 銀行担当者が喜ぶ報告書の書き方を熟知し、金融機関の論理を理解している
- 決算書の読み方だけでなく、資金調達の「筋道」を描ける
- 補助金、リース、保証協会…経営者が知らない資金の引き出しを持っている
これらは、中小企業の社長にとっては“魔法のような知見”です。
財務のプロがいない企業で、あなたがその役割をゼロから立ち上げることは、**単なる転職ではなく、キャリアの「事業化」**とも言えます。
つまり、ポジションは「探す」ものではなく、「設計して、提案して、勝ち取る」もの。
その視点に立てた瞬間、銀行員のキャリアは大きく進化します。
経理部長という席に座るのではなく、
“社長の右腕”という新たな席を、自ら用意して座る──
これこそが、あなたの本当の強みの活かし方。
と考えると、なんだか楽しくないですか?
■ 中小企業で「末永くいい待遇」を得るカギ
「定年後の人生が不安だ」「これからの給与は右肩下がりだろう」──
銀行の中にいて、そんな将来像がうっすらと見えてきた人は少なくないはずです。
でも、視点を変えれば、その不安はチャンスに変わります。
中小企業で財務責任者や経営層として活躍できれば、“長く、そして高待遇で働ける道”が開ける可能性があります。
その理由は、いたってシンプル。
- ✅ 銀行交渉や資金繰りを理解している人材は、企業にとって極めて貴重
- ✅ 経営者の信頼を得れば、「右腕」としてポジションも待遇も上がる
- ✅ 定年の概念があいまいなので、70代でも現役バリバリというケースもある
中小企業は、少数精鋭。
「替えがきかない人」になれば、報酬も、自由度も、在籍年数すら自分でデザインできます。
一方で、大企業では役職定年や人件費圧縮が進み、50代からの下り坂を避けるのは難しい現実。
中小企業の経営層は、“経験が資産になる世界”です。
あなたの過去が、あなたの価値に変わる。
「あと何年働けるか」ではなく、
「あと何年、必要とされるか」──そう考えられる場所を、自分の力で手に入れましょう。
■ 一方で、ハイリターンにはハイリスクがつきもの
高待遇。自由な働き方。長く続けられるポジション──
中小企業でも、財務責任者や経営層になることで得られるリターンは、確かに魅力的です。
ですが、その裏には、誰もが口にはしない“リスク”も確実に存在します。
たとえば、こんな場面を想像してみてください。
- ☠ 信頼していた社長が急死 → 会社の方向性が一気にブレる
- ☠ オーナー家で内紛発生 → 社内の力関係が変わり、あなたの立場も不安定に
- ☠ 資金繰りが悪化 → 銀行出身という理由で、責任の矢面に立たされる可能性も
つまり、中小企業の経営に深く関わるということは、**「社長と運命を共にする」**という側面もあるのです。
高待遇と引き換えに、意思決定の重さや、変化の速さ、責任の大きさも背負うことになる。
この現実に目を向けず、「給与がいいから」と安易に飛び込むと、後悔する場面も出てきます。
ですが、だからといって尻込みする必要はありません。
リスクを知った上で選ぶからこそ、本物の覚悟が生まれます。
そして、その覚悟を持った人材は、どの会社においても“絶対に手放したくない存在”になります。
リターンの大きい世界ほど、リスクとの向き合い方が問われる──
それを自分ごととして捉えられた時、あなたのキャリアはもう次のステージに進んでいるはずです。
銀行で培った「財務の目線」と「金融機関との交渉力」。
これらは、社長にとって最も頼れる“右腕”になるための武器です。
✅ そして実は、“ローリスク・ミドルリターン”な現実的キャリアかもしれません
右腕ポジションと聞くと、リスクが高いイメージを持つかもしれません。
でも実際は──転職前の目利きさえしっかりしていれば、失敗しても「辞めるだけ」。
人生が終わるような本当のリスクは稀です。
むしろ、成功すれば報酬・裁量・信頼すべてを手にできる、コストパフォーマンスのいい勝負なのかもしれません。
■ 最後に──普通の経理部長で終わらないで
中小企業の経理部長。
銀行員からの転職先としてはよくある道で、決して悪い選択ではありません。
同じ銀行出身者がいる会社を担当し、訪問した時に感じたことありませんか?
銀行の昔話しを繰り返し、お茶を飲むだけのしおれた先輩。
と、社長と共に新製品を開発し、戦略を熱く語る、そしてそこに資金需要のネタをチラつかせてくれる先輩。の2種類。
創るのも、流れるのもあなた次第?
銀行を飛び出し、キャリアを自分でデザインしたいと考えるあなたへ。
「ただの経理部長」で終わらず
“財務のプロ”として、“社長の右腕”をともに目指しましょう。
私は、あなたのソフトランディングした生活より、イキイキとする顔が見たいです。
あなたのキャリアは、ここからが本番です。